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南粤美食(なんえつびしょく) 佛跳牆(ファッテューチョン)の会食リポート。贅沢素材をふんだんに使った究極のスープ!!

さて今回は佛跳牆(ファッテューチョン)です!!

南粤美食と言えば当ブログにもすでに記事がありますが↓↓

4/20に行われた南粤美食店舗主催、あの佛跳牆(ファッテューチョン)を食べられる食事会に参加したレポートを別に書いてみたいと思います!!

https://twitter.com/nanyuemeishi627/status/1776157997888082045

佛跳牆(ファッテューチョン)と言えば何といっても美味しんぼのこの回が有名ですよね。

頑として食事会での料理に手を付けなかった稲森氏が、ついに飲んだあのスープです。

修業中のお坊さんが塀を飛び越えて飲みに来る、という意味だそうです。

本来はコースを組んだら1人当たり10万円以上はかかるというこのスープですが(同じ横浜中華街内の大珍樓で作ってもらう場合そのくらいします。しかも自力で10人以上を集めなくてはなりません)

南粤美食さんの粋な計らいで店舗主催で単独参加可能、原価率ギリギリの約4万円で食べられる企画という事で参加することとしました。16人の枠が募集開始から3時間で即埋まってしまったそうですね。

菜譜(メニュー)

早速店内に入り、催しのある2階に上がりますとテーブルが2つ用意されています。

本来定員16人だったのが応募が殺到し予約の受付ミスで21人になってしまったとの事で、正直な事を言うと値段の割にちょっとスペース的に窮屈でしたね。

ここはお店の知名度、人気向上とともに、そろそろ大きな箱への移転も視野に入れてもいいのかも。

余計なお世話ですが規模に応じた移転や後継者育成に失敗して無くなってしまった店も中華街でいくつも見てきたので、、、

さてテーブルに着くと本日のメニューが用意されています。日付まで入っていて気分が上がりますね。

飲み物は別料金で、まずはウーロン茶を注文。私はお酒を飲まないのですが、飲む方はもちろんアルコールメニューもあります。

ボトルの持ち込みは別途持ち込み料がかかります。

本日のメニューは以下の通りです。肉と魚介を織り交ぜた全10品のコースメニューです。やや魚介系の方が多いですね。

魚も好きなので楽しみです。

1.佛跳牆

佛跳牆がいきなりトップバッターとして登場ですね。あくまでスープなので前菜扱いという事なのでしょう。

テーブルの真ん中に白磁の大きな壺が到着です。

そしてフタが開けられると、正体不明の食材が色々と乗っています。部屋に窓から風が入ると、ふんわりとスープの香りが漂います。

魚介系の香りが強いですね。

上の方に乗っている食材は、魚の浮袋の模様。スープをすくうために浮袋を移動させると、干しナマコ、アワビ、金華ハムなどの材料が。

更に下の方にフカヒレ、貝柱、椎茸なども見えますね。

そして一人一人にスープが盛り付けられます。醤油などは使わずに全て素材から出た色との事。

一口スープをすすると、これはっ、、、海産物の複雑な香りが広がって、その後に複雑な味、ゼラチン質のコクをすごく感じます。

皆、うま味成分の複雑さに舌が混乱して脳が理解するのに時間がかかっている模様。そしていつの間にか器がカラに、、、もっと飲みたい。

正直今まで飲んだ事のないスープです。塩も醤油も味噌も油も片栗粉も使わず、素材だけでここまでの味が出るのはすごい事だと思いました。

これはこれで十分美味しいけれど、もしもうちょっと動物性の材料を足して醤油などで味を調えたらどこまで美味しくなるか見当が付きません。

でも調味料は使わないのが正統的な佛跳牆だそうなので、まずはこの味をスタンダードとして記憶していきたいと思います。

そしてその後、美味しんぼの展開と異なるのはダシガラ、つまり出汁を取ったあとの材料を食べてみる事が出来る点です。

材料がスタッフさんによって一人一人取り分けられます。

干しアワビ、干しナマコ、フカヒレ、浮袋、スッポン、金華ハム、貝柱、椎茸、です。烏骨鶏もスープに使われていましたが煮溶けてしまったそうです笑

この時くじ引き大会が突如始まり、なんと私が特大アワビをゲット。干して戻した状態で全長10cmほどあるアワビをゲット出来ました。

材料原価をネットで調べてみたところ、この一皿だけで多分3万円くらいするんじゃないかな。

こちらはナマコとフカヒレ。ナマコのモチモチした食感、味を吸ったフカヒレがたまりません。

そしてこちらが特大アワビ。スープに味を出しつつもまだ十分に旨味が残っており、心地よい弾力が歯を押し返した後にプッツリと噛み切れ、噛めば噛むほどにうま味がにじみ出てきます。永遠に噛んでいたい気持ちでした。

その他の具、極厚の椎茸が旨味を吸って素晴らしく、スッポンも一切臭み等なく素晴らしい味、浮袋はクニュクニュして面白い食感、貝柱や金華ハムも旨味を残していて美味しかったです。

ナマコや浮袋はスープに味を出し尽くして味が薄く感じたので、卓上調味料があると嬉しかったかな。塩とラー油とか合いそう。

あと白いご飯があると良かった笑

2.名古屋コーチンと自家製腸詰めミルフィーユ

名古屋コーチンと自家製腸詰めのミルフィーユ仕立てが到着。メニューの順番とは異なり3番目に来たのですが、ここではメニューの番号通り紹介したいと思います。

こちらもテーブルに登場と共におおっとなった品。名古屋コーチンと自家製腸詰を交互に重ね合わせミルフィーユ状に仕立てています。見た事のない盛り付けですね。

これ以上なく柔らかく蒸された名古屋コーチンが序盤の料理としてピッタリです。ほろりとほどける柔らかさと良い香り、濃い旨味はやはり名古屋コーチン。

中華の前菜でよく蒸し鶏が出てきますが、それの豪華版といった感じです!

コチラが自家製腸詰、腸香ですね。甘い味付けのサラミといった感じで、しっかりした歯ごたえがあり鶏肉とのいいコントラストになっています。

緑色の葉はガイラン(芥蘭)という野菜で、茎のコリコリシャキシャキとした歯ごたえと風味が独特です。別名チャイニーズブロッコリー。

微妙に日本の野菜には無い風味で美味しいですね。日本では九州などで少数栽培されているとか。

3.鳩のパリパリ揚げ

続けて鳩のパリパリ揚げです。普段南粤美食ではアヒルのパリパリ揚げがグランドメニューとしてありますが、今回はそれよりも更に希少な食材である食用鳩を用意してくれました。

フランス料理でもピジョンと呼ばれ高級食材ですね。

なにせニワトリと違い空を飛ぶので、人工飼育にコストもかかるそうです。

表面は濃いあめ色に、きれいに揚がっています。肉の断面はアヒルの丸揚げに似た色ですね。

早速食べてみると、アヒルよりも更に鉄の香りが強く、ジビエならではの野趣ある風味ですね。噛むごとに味が出てきてこれも美味しい。

私には残念ながら取り分けられませんでしたが、頭の部分もどんな味だったか食べてみたかったですね。

グランドメニューで提供されたら丸々一羽食べに行きます!!

4.ウナギの豆鼓蒸し

こちらもビジュアルが強烈なウナギの豆鼓蒸し。大皿にグルリととぐろを巻いており、真ん中にウナギの顔が鎮座しています笑

豆鼓蒸しは飲茶でよく牛モツや豚スペアリブで出てきますが、ウナギは予想外。

皮一枚だけ繋がっているのだろうか、中骨以外の小骨は全て綺麗に取り除かれていて口に触る事は無かった。日本のウナギ職人並みのすごい技術だと思います。

食べてみると、ウナギ特有のコクのある脂と豆鼓ソースの味がこれまたベストマッチ。蒸し加減が良くしつこさや臭みは全くなく、焼いた煙の匂いが付いてしまう蒲焼きよりウナギが純粋に味わえて好きかも知れない。これも1皿丸ごと食べてみたい料理ですね!!

ウナギ釜飯とかやっても美味しいかも知れない。

5.マカデミアナッツとホタテの炒め

こちらは別記事でも紹介したホタテとアスパラの炒めにエリンギやマカデミアナッツを追加した改良バージョンですね。

ハワイ土産のマカデミアナッツチョコレートの中に入っているあれですね。

大きな貝柱からにじみ出る甘み、エリンギの歯ごたえ、春アスパラの風味にマカデミアナッツのカリカリが不思議とマッチ。意表を突かれた一品でした。

王老吉 (ワンラオジー)

食事の途中で1人の方が飲んでいたジュース、王老吉(ワンラオジー)がそれどんな味がするんですかと話題となり、みんなが注文する流れに笑

仙草ゼリーをゼリーにしなかったような味、と説明されて成分を読むとまさにそういった感じですね。個人的にはドクターペッパーにも似ていると思いました笑

食事の途中に舌をリフレッシュするのにぴったり。体にもいいそうです。

みんなで同じもの頼んで乾杯の図。笑

6.アカハタの姿蒸し

そして大皿でアカハタの姿蒸しが登場。ハタ(クエ、アラ)と言えば中国料理のコースで定番の豪華料理ですね。

刺身や鍋にしても美味しく、釣りでもけっこう釣りやすいので人気がある魚ですね。

取り分けがしやすいように切り身にしてあり、キクラゲが挟まれています。

フランス料理で言えばスズキのパイ包み焼きに相当する料理ですね。

美味しんぼでも横綱をもてなすために登場した種類の魚で、覚えている方も多いのではないでしょうか。

身はふっくらしっかり、味は旨味がしっかりする白身です。鯛やヒラメより濃厚な感じで全ての白身魚の中でもかなり上位の美味しさです。

煮汁の味も当然よく、ごはんにかけて食べたいくらいです。

こちらは頭の部分。魚で旨いのは顔周りの肉と目玉ですからね。数に限りがあるので当然ジャンケンでの争奪戦が始まり、私は負けてしまいました。

勝った方から撮影の許可をいただきパシャリ。食べたかった、、、

7.湯葉のアワビ煮込みソース餡かけ

続いては湯葉のアワビソース煮込み餡かけ。オイスターソースならぬアワビソースです。最初の佛跳牆のスープも使われているとか。

栃木県日光から仕入れたという湯葉がギッシリと巻かれていて、湯葉の歯ごたえと甘みが思う存分堪能できます。繊細な一品。

餡かけは濃厚ながら塩味は控えめで湯葉とのバランスがいいです。

8.伊勢海老伊府麺(イーフーメン)

宴も終盤に入り、麺の登場です。と、一見全然麺に見えないビジュアルですね。伊勢海老のチーズ煮込み、と思いました。

これが調理する前の伊府麺(イーフーメン)。小麦粉を水を使わずに卵だけで練って油で揚げた麺だそうです。

取り分けのためにしたの方に隠れた麺を持ち上げると、麺の長さと濃厚チーズがとろりと伸びて香りが広がり、食欲をそそります。ちゃんと麺があった。

麺はパスタのリングイネに似た感じで、癖がなくソースの旨味を良く吸ってチーズに馴染んでいました。伊勢海老の身もプリプリ。

チーズの粘りは濃厚な感じがしたけど、味は癖がなく丁度いい塩加減でしたね。チーズフォンデュパスタといった感じで、チーズが主役。変わり種の料理でした。

そして今度は伊勢海老の頭をゲット。濃厚なミソと頭の中の身を堪能できました。チーズのコクとエビミソという新しいマリアージュ。

9. 腸詰・干し肉・アヒルのもも肉の釜飯(煲仔飯、ボウジャイファン)

そして締めのご飯ものは、南粤美食定番の煲仔飯。今回はトリプル肉仕様ですね。

米粒にまでしっかりとタレと素材の味が絡み染みていて美味しいですね。しかしご飯もののボリュームとしては1人分の分量がやや足りなかったかも。

10.燕の巣

そしてラストはこれまた高級食材、ツバメの巣のデザート。温かいシロップの中に透明なツバメの巣、クコの実、百合根などが入っています。

味は薄めの甘さでさっぱり、ツバメの巣はフルフルとしていて面白い舌触り。これだれ続いた宴会の締めとしてピッタリですね。

漢方薬としても、消化を助けて胃もたれを防ぐ作用もあるそうです。

フカヒレ

お会計を済ませて帰り際に、次の宴会客のためのフカヒレが大量に仕込まれていました。一人一枚かな??いったいどんな豪華宴会なんだろう笑

以上、二時間の予定が大幅に延長で4時間近くになりました。料理はどれも創作意欲と完成度が高く大満足でした。佛跳牆と、ウナギの豆鼓蒸しは特に美味しくて単独でお腹いっぱい食べたいですね。中骨以外の骨を全部抜き取っていたのがすごかった。

ホールスタッフの皆様はまだこういった宴会のサービスに慣れていないのと、決して広いスペースではないので取り分けの均等さやスピード等に課題はありましたが、そういった細かい事を気にしない余裕のある人に予約をおすすめします。

なるべく安く、多くの人に佛跳牆(ファッテューチョン)を食べてもらいたいという心意気は伝わってきました。

なかなかこの値段でこれだけの事をやってもらえる店は無いと思うので、チャンスがあれば皆さんもぜひ申し込んでみて下さい!!

オマケ

食事の途中で美味しんぼの「ローピン」が話題となりました。山岡さんたちがスキーに行ったら吹雪で遭難しかけて山小屋に閉じ込められ、ありあわせの材料だけで作ったアレですね。

このローピン、現代では軽食用のホットスナックとして小型化、改良されたものが売っています。以前に食べ歩きの記事で紹介しましたが、

南粤美食の真裏、中華街大通り側の老上海という店でも丁度売ってますね。

サイズを小さくし、中に肉を入れた、「ニューローピン」です。

渦巻状のバリバリサクサクの歯ごたえが心地いい生地の中に、肉まんの具が入っていて美味しいです。ネギではなくバターが効いてるっぽい香りですね。

「ネギ入りの中華風パイが食べたい!!」`という方は「庄苑」のこちら「チキン入りネギパイ」もオススメです。

こちらもローピンを食べ歩き用に改良した派生形ですね。

オーダーが入るごとに焼いてくれて熱々を楽しめます。モチモチの生地とネギ、鶏肉、レタスが良く合います。

美味しんぼ料理を食べてみたいという方はこちらもぜひどうぞ!!

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